建物の外壁と天井です。 外壁・天井は主にスギで造られています。 まっすぐに成長するスギは、材木の木目もまっすぐそろって美しいのですが、 この建物は、その中でも特に見た目が美しい「柾目材」だけを外壁に使用し、すっきりとした、きれいな、外観を見せています。 材木の中に空気を多く含むスギは、保温性・断熱性もすぐれており、夏は涼しく、冬は暖かい、見た目だけでなく機能面でも外壁にぴったりです。 |
寝室から居間への上がり框(あがりかまち)に使われているトチには、「縮み杢(チジミモク)」というトチ独特の模様が入っています。縮み杢のある材は特に重宝されますが、同じトチでも模様のあるなしや、模様もそれぞれ違うなど、木の個性を感じられます。 ちなみにトチは、国語の『モチモチの木』でもあります。 写真のうち、左の床はアカマツです。 アカマツは材の中に油分を多く含むので、耐水性が高いです。 アカマツの床の部屋の隣にお風呂があるので、水に強い床だと安心ですね。 |
お風呂周辺は、土台や壁には強靭さが売りのケヤキと、湿気に強いヒノキ、ヒバ、お風呂の床面にはこれもとても湿気に強く、船の甲板や、各地の港でデッキなどに使われる高級材イペが。 ヒノキ・ヒバは「ヒノキチオール」という成分を含み、これが防腐にとても効果があります。ヒノキ風呂で香る、「ヒノキのにおい!」の正体です。 イペも耐久性と、防腐性に長けており どれも湿気の多いお風呂回りには最適ですね。 |
縁側はヒバです。ヒバはヒノキ以上に「ヒノキチオール」という成分を含み、高い防湿効果を持っています。 適材適所、それぞれの木材がふさわしい場所に使用されています。 |
カエデは材の特徴として、木目がきめ細かく、色身も明るい白色の為、清潔感のある優しい印象を受けます。 この建物では玄関の敷台に使われています。建物に入って最初に目に留まる場所に明るいカエデ材があることで、建物全体に明るい印象を持つことができます。 |
押し入れ扉と、左端にクリの柱。 特に柱は表面に名栗(ナグリ)という飾り切りの1つ「ハツリ」が施されています。木材表面に飾り切りを施す名栗は、数寄屋建築において欠かせない技法ですが、今ではこの技術を持つ職人さんが少なくなっており、この柱は貴重な一本と言えるでしょう。 |
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